URLの「www」はありとなしのどちらが良いか
選び方とSEO的に見た統一の必要性とその設定方法
Webサイトの制作を行っている際、クライアントの方々からこのご相談を度々受けます。
wwwを付けたURLか、wwwを付けないURLのどちらで作れば良いのか、以外とこのテーマで悩まれている方も多いです。
このあたりは多少は好みの問題でもあったりはしますが、今の時流というか流れなども含めながら、個人的な見解も含めて、今回はこの自分たちのWebサイトのwwwの有り無しについてまとめてみたいと思います。
ありなしで何が違うのか、むしろサイト公開時にそれ以上に気をつけるべきポイントはあるかなどについて見ていきたいと思います。
結論はどちらで良い(個人的に)
結論から言うと、この通りです。
wwwがあろうが無かろうが正直なところ、それ“だけ”でメリットを享受することもなければデメリットを受けるという事も基本的にはありません。
そのため、wwwを付けて公開しようと、付けなくて公開しようともどちらでも問題はありませんので、自分がクライアントの方々から聞かれた際には好みなどで付けて大丈夫です。とお答えはしています。
wwwのありなしのメリットとデメリット
一応挙げておくと(半ば強引ですが)下記のような感じになります。
それぞれのメリットとデメリットは相反する形になります。
「www」が付くメリット=付けないデメリットは、私たち日本人は特にWebサイトというイメージがしやすいという点でしょうか。テレビCMなどの影響などもあってか、ドメイン=.com、Webサイト=www.○○ というイメージが少なからずあったりします。
特に年齢層が高いほどインターネットが世に普及してきた頃、そういった印象強いコマーシャルなどを見たりなどでそのような印象は強いかもしれません。
一方、www無しのメリット=wwwありのデメリットというとURLが短くなる。これですね。以外と侮れないのが名刺に記載とかする際に、少しドメイン名が長いとあと2文字分くらい邪魔だな…みたいな事が起きたりします。
あとは覚えやすいといった点などもあるかもしれませんが、結局のところwwwのありなしの違いはそれくらいしかないとも言えるかもしれません。
wwwのありなしに優劣は無くSEOへの影響も無い
上記の通り、wwwのありなしに優劣はありません。
wwwを付けたサイト、wwwを付けなかったサイトどちらも同じです。
ありなしそのものでは優劣は付かないため、SEOへの影響もありません。
ただ、後述しますがwwwありなしを適当に処理してしまうと影響が出る場合もあるのでその点だけは注意が必要です。
実際に世の中にあるサイトを色々見ていくと、それぞれwwwを付けて公開しているサイトもあれば、www無しで公開しているサイトもあります。
自分が今決めるならwwwなしで付けます
ただ、このように書いてお答えすると、そうは言っても、いただきさんは自分のところwww無しでやってるけど何か意図というか理由があるの?と聞かれる事も多いです。その答えとしては自分自身が今選ぶならwww無しのURLで作る事が多いです。
ただだからといってそれが正解というわけでもないですし、意図や目的があってwwwありのURLにしたいという事であればそれはそれでなんら問題ないとも考えていますし、実際クライアントの多くはwwwありのURLでサイト公開されているところも多いです。
大事なのは、URLの統一をしておくこと
wwwありなしで大事なのは、wwwがありかなしかではありません。
最も大事なのは、いわゆる「URLの統一化」で、wwwありなしのどちらかで運用すると決めたなら、使わない方を、使うURLに転送設定などしておくという点です。
弊社のサイトは、「itadaki.co.jp」というURLで公開されていますが、これを「www.itadaki.co.jp」としてアクセスしたとしても、自動的に「itadaki.co.jp」というアドレスへ転送されるようになっています。
これがURLの統一化で、www無しで運用すると決めたため、wwwありのURLでアクセスしたとしても自動転送されるように設定をしています。
SEO的な観点から同じコンテンツ内容が別のURLにて公開されるのを重複コンテンツといった言い方で毛嫌いされるため、wwwありなしの統一がされていないと真っ先に改善ポイントと挙げられるくらいに設定されることが多くなっています。
実際にwwwありなしでURLの統一されていなければSEOの順位が落ちるかというと、今のGoogleの検索は賢いのでそんな事はありませんが、設定によってはアクセス解析でデータが見にくくなったりすることもありますので、URLの統一はしておいた方が得策です。
どちらか片方しか使わないという設定は最もダメ
これたまにあるのですが、wwwありでURLを使うと決めた場合、www無しでアクセスできなかったり、wwwなしで運用すると決めたから、wwwありはいらないとして作られているサイトだったり、そういう仕様やシステムで構築されているサイトがあります。
これが最もいけません。
出来るだけwwwありなしのどちらを使うとしても、使わなかった方は何もしないというのだけは避けましょう。
例えば一例ですが、旧ジャパンネット銀行さんで、今はPayPay銀行さんに切り替わりましたが、公式サイトのURLはwwwがありの状態で作られています。
参考:https://www.paypay-bank.co.jp
ですが、このサイト「www」を取り除いた「paypay-bank.co.jp」というURLでアクセスすると設定としてwww無しは使わない特殊な設定をしているためか、そもそもサイトが存在しないという事になってしまっています。
もちろん、銀行サイトなのでユーザーがこれを見てサイト無くなったなんて事は思わないとは思いますが、通常のサイトであればユーザーが「あ、サイト無くなったんだ。」といった勘違いをさせてしまう可能性も否定できません。
wwwの有り無しのどちらを使うか決めた場合は、必ず使わない方も転送設定などをしてどちらのURLも使える(見られる)ようにしておきましょう。
「www」の有り無しをどちらかに統一させる設定
www有り無しのどちらかで行くときめたなら、上述の通り使わない方には転送設定をしてあげるのが一番ですし、そこが最も重要なポイントになります。
とはいえどういう設定をすれば良いのかというとサイトの状況や使っているサーバーなどによっても多少変わってくるところはありますが、自分が関わったサイトではほとんど.htaccess
というファイルを使って設定をしています。
www無しで統一する場合
www無しのURLを使って統一するという場合は、.htaccess
ファイルに下記のように記述しましょう。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.(.*)$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://%1/$1 [R=301,L]
wwwありで統一する場合
wwwを付けたURLで統一する場合は下記の通りです。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} !^www\. [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
解説などによってはドメインを記載しての転送設定を記載している場合もありますが、この書き方だとURLの変更などをする必要がないため、特殊な設定などでない限りは使い回しもミスなくしやすくなります。
実際にURLの統一化を行うなら他の設定も多数必要
wwwのありなしで書いていますが、実際にURLの統一を行う場合は正規化とも呼ばれますが、wwwのありなしだけではなく、SSLへの自動転送や、index.htmlのありなしでの自動転送、末尾のスラッシュ(/)のありなしの統一などをまとめて設定する事が一般的です。
実際によくある一般的な設定を下記にまとめてみました。
wwwのありなし以外にもこれらをしておくと一般的なURLの正規化は出来ているのでは無いかと思います。
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
# httpsで統一する設定
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
# wwwなしで統一する設定
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.(.*)$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://%1/$1 [R=301,L]
# index.html(index.php)をなしで統一する設定
RewriteCond %{THE_REQUEST} ^.*/index.(html|php)
RewriteRule ^(.*)index.(html|php)$ https://%{HTTP_HOST}/$1 [R=301,L]
# URLの末尾にスラッシュを付けるで統一する設定
RewriteCond %{REQUEST_URI} !/$
RewriteCond %{REQUEST_URI} !\.[^/\.]+$
RewriteRule ^(.*)$ $1/ [R=301,L]
</IfModule>
このあたりを設定しておくと、URLの正規化として問題ないかと思います。
ただし最後のURLの末尾にスラッシュを付ける設定などについては、WordPressで構築されている場合は、そもそも設定されているため逆に書いてしまうとループしてしまいエラーとなるため書かないようにしましょう。
くれぐれも.htaccess
ファイルを編集してアップする際にはバックアップを必ずとっておきましょう。.htaccess
の書き方1つミスっただけで、サイト表示が真っ白になったりという事もザラなので、編集&アップする際には必ず万一の事を考えてすぐに戻せる体制を整えておくのが鉄則です。
まとめ
サイトを公開する際のURLでwwwを付けるか付けないかをテーマにまとめてみました。このあたりはネットにそこまで詳しくないという方だと悩まれる方もまだまだ多くいらっしゃいます。
実際に答えとしては好きな方を採用すれば良いという事にはなりますが、特にこだわりなどがなくどちらが良いかと聞かれた場合は、最近のトレンドや名刺に書くときの長さなどを考えたりしていくと、www無しでいきましょう。と提案させていただいてます。
ただ大事なのはwwwの有り無しのどちらを使うかではなく、その後の使わなかった方をどうするのかというところの方が大切なので、しっかりと.htaccess
やサーバーの設定などでURLの統一化(正規化)を行うようにしましょう。