美容室・サロン店や飲食店などの
店舗名の付け方や考え方と注意すべき点

  • 2023.07.19
  • 2023.05.12

マーケティング

美容室・サロン店や飲食店などの店舗名の付け方や考え方と注意すべき点

以前に、サイト名やサービス名の付け方という解説を行いましたが、ネットサービス系を想定して解説した記事でしたが、同じように美容室や飲食店、サロン店などの店舗名の付け方、どう考えれば良いかというところも見ていきたいと思います。

とはいえ、基本的な考え方というのは同じになりますので、店舗ならではの考え方、ネットサービスやホームページなどのサイト名との違うところなどを中心に解説していきたいと思います。

基本的な考え方はサイト名の時と同じ

上述の通り、サイト名の付け方で色々と解説していますが、基本的な考え方としては同じになります。

詳しくはサイト名の付け方の記事をご確認いただければと思いますが、ざっと簡単にリストでまとめるとこのような感じになります。

  • 検討している店舗名で検索した時の検索結果を確認しておく
  • 「検索しやすいか」が大前提となってくる
  • 外国語系の名前を使う場合はカタカナ読みにする
  • 日本語の名前でも、誰が見ても読めるかが大事
  • 短く読みやすくても抽象的なものや一般名称的なものは避ける
  • 同音異義語が多数あるような単語は避ける
  • 長すぎる名前は検索しにくいので避ける
  • ドメインやSNSなどのアカウント系に問題ないかチェックしておく
  • 海外などの隠語やスラングになってないかも見ておくと良い

といったところを解説してきました。
サイト名やサービス名であろうと、店舗名であろうとこのあたりは基本的には同じになるのですが、より実店舗の名前では気をつける、配慮すべきポイントというのが存在します。

実店舗はGoogleマップの事も考慮に入れる

自社のホームページやネットでのサービスサイトなどであれば、オンラインで完結するためネットの事だけを考えてサイト名を付ければ良かったのですが、実店舗となるとそういうわけにはいきません。

特に今ではGoogleマップを中心としたマップ上での検索などにもこういった実店舗を表示してくれるようになっているため、なおさら大事になってきています。

特に「美容室 ○○」といったように業種×地域名などのキーワードで検索された場合は広告枠のすぐ下にはマップが表示されるものも多くなっていますし、広告枠がなければ検索結果の最上段がGoogleマップの表示になっていたりもします。

実際、弊社のオフィスがある新大阪で「新大阪 美容室」と検索した場合は最上段がGoogleマップの表示枠になっています。美容室に限らず、エステ、飲食店、マッサージ、パン屋といったキーワードでも、多くが検索結果の最上段かその次の位置で表示がなされています。

オンライン上で完結するサイト名・サービス名などの場合はこういったところは考慮に入れなくても良かったのですが、実店舗の場合はこういったところの表示とも関わってくるという事をしっかりと頭に入れておく必要があります。

検索結果の上位に表示するということとは別に、Googleマップ上でも上位を目指すという事を考えていく必要があります。

競合は近くでなければそこまで問題にならない

オンライン系サービスの場合、例えば北海道と沖縄など距離がどれだけ離れていても、ネットだけで完結できるため、距離に意味はなく競合となりますが、実店舗の場合は距離の制約が出てくるため一定の距離が離れれば多くは競合となりにくくなります。

また、最近のGoogleは非常に賢く検索する人に合わせた検索結果を表示してくれる仕様になっており、特に検索された場所というポイントは非常に強く影響を与えます。

新大阪で「美容室」と調べた時と、東京の新宿で「美容室」と調べた時では当然結果がガラリと変わりますし、なんなら同じ大阪でも、新大阪で美容室と調べた時と、梅田で美容室と調べた時、さらには難波で美容室と調べた時でも当然結果は大きく異なります。

それぞれどの場所で調べられたのかなどをGoogleは判断するため、その地域に適した検索結果を返してくれるため、新大阪で美容室を調べた時は、新大阪に店舗を構える美容室が表示されるようになっています。

もちろん被らない名前が良いということに違いはありませんが、仮に付けたいと思っていた店舗名があり、競合チェックのため調べたら既にあったというケースでも、距離が一定以上離れていて位置的に競合となりえないという場合であれば、その名前を付けるということも考え方としてはありとも言えます。

必ず、必ず事前に商標をチェックしておく

大事なので2回書きました。
美容室であってもサロン店であってもパン屋であっても飲食店であってもカイロや整体やマッサージ店であっても、店舗名を考える時に最も大切と言ってもいいのがこの商標チェックです。

そもそもの商標を知らない、もしくは全く気にしていないという店舗運営者の方も意外と多かったりしますが絶対に行わなければなりませんし、仮にしなかった場合には後になってとてつもない損失・痛手を被ることになる恐れすらあります。

小さい店舗だし大丈夫だろう、誰も気にしないだろうと思って運営している方も実際いらっしゃるのですが、店舗がどれだけ小さい店舗で1人運営であったとしても、この商標チェックは事前に必ず行う必要があります。

遠く離れた店舗でも同業なら違反したら店舗名の変更を余儀なくされる

実際に同じようなことが昔、自分のクライアント様で起きました。
とある飲食店を経営されているお店だったのですが、ホームページ制作をしたいというご相談から制作をスタートさせているというまさにその時に、「商標権侵害のお知らせ」的なものが届きました。

相談できるところが弊社しかないという事だったので詳細を聞いていると、商標自体をあまり知らず事前に調べることもなく店舗名を付けてしまっていたことで、既に取られていた商標だったことが後から判明し、完全に同業だったため店舗名の変更を余儀なくされました。

実際には専門家などに依頼して、商標権の侵害かを確認する必要があったりなど紆余曲折ありますが、店舗名の場合はきた時点でほとんどが該当するケースの方が多いかと思いますので、そうなったときのダメージが甚大ではありません。

店舗の場合、店舗名だけに限らず看板、制服など全てが対象になる

オンライン系のサービスの場合、仮に名前を変えるとなっても痛手は痛手ではありますが、実質、ロゴと名前を変えてしまえば済むと言えば済んでしまうとも言えます。

しかしながら実店舗の場合は、多くが店舗名に紐付いた看板、制服、各種備品など様々なところに店舗名が書かれていたり使われている事がほとんどです。

そうなってくるとただ名前を変えれば良いというわけにもいかず、看板を新たに作り、制服を新たに作り店名の入った全ての備品を作り変える必要が出てきてしまい、実費として相当痛い出費を伴ってしまうことになります。

結果的にそのクライアント様は完全に商標権侵害に当たってしまうということから、店舗名含めた全ての変更を余儀なくされてしまいました。(幸い、事業自体はうまくいっていて、2023年の今もきちんと店舗運営を継続されています)

ただ、当然ながら当時は相当に憔悴されていましたし、無駄な痛い出費を伴ったのも事実で、事前にしっかりと調べておけばこういうトラブルや損失は無かったということになります。

今はネットで簡単に調べられるためいずれバレる可能性が高い

とはいっても小さい店舗だしバレないでしょ?と思う方もいるかもしれませんが、今の時代は調べれば簡単になんでもポンポン出てきます。

そのクライアント様も、まだホームページが無い状態で作りたいという事からご依頼を受けていたのですが、そのまさに制作しているタイミングで商標権の侵害の通知が届いた次第でした。

後になって確認してみたら、飲食店ということで食べログなど含めた外部サービスに情報が自動的に載っていたため、そういったところから調査されて届いたという事でした。実際に当時自分も調べてみたところ同じ店舗名がクライアント様以外でも3店舗ほどあったのですが、後日に全ての店舗で店舗名が変更されていました。

上で遠く離れた店舗でも同業なら…という見出しで書きましたが、実際にこのクライアント様は北海道で店舗を運営されており、権利元の店舗は関東圏で1店舗運営のお店でした。このような状況でも完全に同じ店舗名で運営をしてしまっていたため、違反となり変更せざるを得ない状況になってしまいました。

もちろん商標チェックというのは店舗関連だけでなく、どのサービスにおいても大事なのですが、店舗の場合は特に万が一の場合に変更をしなければならなくなった時の損失がとりわけ大きいため、より慎重に念入りにチェックが必要になってくると言えます。

できるなら店舗名で取っておくと一番良い

商標は非常に複雑でややこしかったりします。
できるなら、トラブルに巻き込まれない方が良いですし、そのためにも自分たちの店舗名で商標が取られていないなら予防策として自分たちで商標を取っておくのが理想的です。

商標には色々な区分があり用途などに合わせて細かくあるため必ずしも同じ名前が駄目というわけではないのですが、素人にその判断が簡単にできるわけでもないため、商標トラブルにまきこまれないためにも自分たちで持っておけば一番安心と言えます。

また、店舗名の場合、自分たちが先に店舗を構えて運営していて、1年後に同じ店舗名のところが商標を取った場合、自分たちが負けてしまう可能性が十分にあります。

厳密には商標権には「先使用権」と言われる、商標権が出願される前から使っていた場合のルールがあるのですが、そこそこ厳しいルール(使用している商標が広く認知されていること)が設けられていてハードルが高めのため、出される以前から自分たちは使っているから大丈夫かというとそうでもありません。

自分たちの方が先に店舗名使ってたし!と言っても認められない可能性もありますので、結局は商標を取っていない限りはそういったトラブルに巻き込まれる可能性はゼロではないという事になります。

もちろん商標権をとるのには当然ながら一定のコストもかかりますし、得たからといって売上増に繋がるものでは無いため、取得にハードルがあるかもしれませんが、予防策としてそういった事も考えておくと良いのかもしれません。

何はともあれ、商標チェックは無料で簡単に即チェックできますし店舗名を付ける場合は、必ず事前に商標検索をして問題ないかをチェックするようにしましょう。

特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

結局のところはサイト名などと同じではあるのですが、より一層、商標には気をつけなければならないというのが店舗名においては言えるのです。

まとめ

実店舗における店舗名の考え方、付け方について書いてみました。
実際には前回のサイト名の付け方で、ネットでの検索を考慮したサイト名の考え方や付け方はあらかた解説していますので、ベースとしてはそこをまずチェックしておいてください。

それにプラスして、店舗名の場合はマップ系が非常に強いという事を認知しながら、さらに商標関連はオンライン完結型よりも一層気をつけておく必要があるという点には注意をしていただきたいと思います。

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