ドメインの取得や管理は誰が行うべきか
自社管理と制作会社管理のメリットとデメリット
- 2023.07.19
- 2023.01.18
ドメインについては語られる際、どういうドメインを取るかという観点が多いのですが、実は非ITの方がドメインを取るとき、制作会社や代理店に全て任せるというケースも多いです。
もちろんそれが悪いという事ではないのですが、ドメインは誰が取得して管理するかというのは実はとても大切なのですが、そのあたりを知らずに、よくわからないから任せるというケースも多く見られます。
今回はそんなドメインの取得・管理は自社ですべきか、制作会社や代理店に任せるのか、。そのメリット・デメリットについてまとめてみたいと思います。
ドメインの取得・管理を誰がすべきか
ドメインの取得についてはよく語られるのですが、実は意外と大切であまり知られてなかったりすることの1つがこのドメインの取得と管理についてで、それを誰が行い、誰が管理していくのかという点です。
このドメインの管理をどうするかで、将来的なトラブルの元となってしまう可能性は少なからず存在してしまいます。
どうしても非ITの事業や苦手な方の場合、横文字で拒否反応を示したり、よくわからない…、と思考停止してしまいそうになりますが、ここはしっかりと考えておくべきポイントになります。
大きくわけると自分たちか外部か
ドメインの取得や管理をする場合、大きくわければ下記の2パターンです。
- 自社(自分たち)で取得して管理する
- 制作会社や代理店に取得してもらい管理してもらう
このどちらかになりますが、まず何よりもそれぞれの特徴を知っておく必要があります。当然ながらどちらにもメリットとデメリットがあるのですが、それらを知った上で判断していくべきではあるのですが、特別な理由や特殊な契約形態などでない限りは、個人的には自社管理で行く事をおすすめしています。
ドメインの取得・管理は自社管理が一番理想的
先ほども述べたように、まず結論だけを言えば、ドメインの取得や管理というのは、なるべく自社で管理していくのが最も望ましいところです。
ITやネット系に苦手意識があったり、横文字がよくわからん!という方ほど、任せるといった全部任せてしまうことも多いのですが、ドメインは任せてしまってトラブルになると想像以上に大変です。
制作会社や外部の人間に委託せずになぜ自分がした方が良いのかというのは後述しますが、できるなら自分で取得し管理して設定をできるのが一番理想です。
その方がなにより費用はもちろん一番安く済みますし、将来的なトラブルの可能性も一番低くなります。
ドメイン管理している=なんでもできることになる
ドメインの管理をするということは、そのドメインに関することの決定権を持つということになります。簡単に言えば、そのドメインを使うのか、使わないのかの決定を自由に下せるということです。
そのため、ドメインの取得や管理を委託して外部に任せるという事は、(契約とかモラルとか度外視にして)極論を言えば、今この瞬間にそのドメインを売ろうとしたり、停止させてサイトもメールアドレスも全部見ることができなくすることなども出来てしまうものになります。
当然そんな事をする人はまずいないのですが、やろうと思えばそれが出来てしまうという状態になるのです。
トラブルが起こると人質的になりやすい
ドメインを管理するという事は、いわば全権を握るという事にもなるため、通常時は何も問題なく良いのですが、トラブル時に大きなリスクを背負うことになってしまうのです。
細かい話になりますが、ドメインはどのサーバーでWebやメールを使うのかといったネームサーバーの指定を行うのですが、例えばこのネームサーバーの設定を変えるだけでも、その瞬間から今見ている自分たちのサイト、使っているメールアドレスが使えなくなってしまいます。
何かあったとき、ドメインを委託していると相手側にそのドメインの生殺与奪を与えるといっても過言ではなく、ホームページのアドレスとして使い、メールアドレスとして使っているため、場合によってはそれらが使えなくなる恐れもあり、大きな損害に繋がりかねません。
また、トラブルが起きて業者と契約を解除しようとなった時も、そのドメインの権利問題として大きなトラブルになる恐れもあります。ドメイン関連のトラブルというと、商標系が有名ですが、実はそれら以外でも、ドメインの権利問題などのトラブルも少なからず起こっています。
そういう事もあり、色々なリスクが潜んでいるため、ドメインの取得・管理はなるべく自社で行っていくことが望ましいです。
設定ができないなら、設定時だけ権限移行を
そうはいっても、ドメインとかネームサーバーなんてわからない…という方もまだまだ多いと思います。特に店舗型ビジネスをされている方だったり、普段からネットに携わらないビジネスをされてる方であれば尚更そうなりやすいです。
そういう場合での最善策としては、ドメインの取得や設定の代行をしてもらい、支払いだけ自分たちで行い(もしくは請求だけたててもらう)、完了後にアカウントを受け継ぎ、パスワードの変更をして、外部の人間が勝手にログインしたり設定ができないようするのが良いでしょう。
いわば作業の設定代行みたいな形を取るのが良いのではないかと思います。
こうすることで、取得・管理は自分たちの権限下で行う事ができ、設定だけ制作会社などの専門業者にしてもらうことができます。
設定が終わったら、パスワードの変更などをしておけば、勝手にログインして変更されたりといった事もされないので、トラブルになったり、トラブルに繋がる可能性を未然に防ぐことにもつながります。
全委託がデメリットしかないわけでもない
こう書くと、デメリットだらけというイメージを抱くかもしれませんが、ドメインの取得・管理を制作会社や代理店に委託するのは、デメリットばかりというわけではありません。もちろんメリットもあります。
きちんと信頼できる業者で長期的な付き合いができて、しっかりと契約的にもまとめられていてそれが遵守されるというケースであれば、ITなどが苦手な方の場合は任せておいた方が良いというケースがなくもないかもしれません。
効率化ができ、なにより操作ミスや間違いが起こりにくい
意外とドメイン関連の操作というのは、クリティカルな操作が多いです。
それこそ、何か1つ間違ってしまうと、ホームページが見られなくなったり、メールアドレスが使えなくなってしまうような決定をするような操作も数多くあります。
そのため、ちょっとしたミスや間違いでいきなりサイトが見られない!なんて事が起こりえるのがドメイン関連の設定変更などになったりもするのですが、委託していればプロが行ってくれるのでそういった操作ミスや間違いは起こりにくくなります。
また、こういった操作などは経験があまりない方だったりITに苦手意識がある方の場合、膨大な時間がかかってしまう事もあります。
業者がやれば慣れた作業で5分で終わる事を、何時間もかかったり、場合によっては1日くらいかけて作業をしなければならないといったこともありえます。
委託していれば、全て任せられるので、無駄なところに時間を使うこともなくなりますし、操作ミスや設定ミスなどでクリティカルなエラーが起こったりするリスクは限りなく低く、また万一何か不足の事態が起きたとしても、先方が管理してるので復旧なども早く対応ができる可能性が高いです。
意外と一番多いドメイン更新忘れがしにくい
ドメインのトラブルで多い1つに、ドメインの失効があります。
ドメインは1年毎の更新になるのですが、意外とこの更新を忘れるという方が多いのです。
そんなことある?と思うかもしれませんが、1年前のことなので1年経った頃にはすっかり忘れてしまっていて、気付いた時にはホームページが見れなくなりメールの送信や受信ができない…なんで?となって初めて気付くパターンが意外と多いのです。
もちろん期限が切れる○ヶ月前にメールで案内が届いたりしてるしているのですが、スパムや宣伝系のメールなどと勘違いして削除したり、迷惑メールに入ってしまったりで見ないまま、気付けば失効していたというケースが多いです。
これを委託をしていれば、まず起こる事は無いと言えます。
というのも、制作会社や代理店はドメインを委託で受けている事は多いので、だいたい毎月何度メインも更新が発生するので、ルーチンワーク的に、更新ドメインの作業を行います。
弊社でも取得・管理を請け負っているドメインがいくつもありますが、自社分・クライアント分のドメインの更新を毎月1日にチェックして更新作業をしているので、更新忘れというのがまず起こる可能性が低くなるのです。
しっかりと信頼関係が築けていて、この業者、この人なら大丈夫ということであれば、そういった煩雑な作業や設定、更新忘れなどの方がリスクになると考える事もできるかもしれませんので、バランスを考えて選ぶと良いのかもしれません。
まとめ
ドメインというと、ほとんどのケースでどのドメインにしようかと考える事が多いですし、そういった解説がほとんどかと思います。
しかしながら、制作会社として事業をしていると、今の制作会社からリプレイスしてリニューアルしたいという相談時に、ドメインは今の制作会社が管理しています。というケースでうまく進まなかったり、契約期間の問題で違約金を求められたりとトラブルも意外と多いです。
こういうのは何か起きた時に初めて身にふりかかることでもあるため、ドメインの取得・管理は誰がどうするのかというのは、最初にしっかり考えておく必要があります。
もちろんそれぞれにメリットとデメリットがあるので、それらを知った上で判断するのがベストですが、全委託するのはデメリットやリスク面が相当高いこともあるので、信頼できている、そういったリスクすら飲み込めるような契約などがあるかも考えたいところです。
よくわからないし、やってくれるなら任せようといった感じの委託は、リスクが高いので、将来的な事も視野にいれて、なるべくドメインの取得・管理は自社で行うようにした方がリスク管理の面から良いと言えるのではないでしょうか。